2020.02.04

「簡単に取れて高く評価される資格」はあるか?

ビジネス雑誌などで「取りやすくて評価の高い資格!」「簡単に取れて食べていける資格!」といった特集企画を監修させていただくことがしばしばあります。
しかしながら本音を言うと、残念ながら「そんなに都合のいい資格は基本的にない」というのが実際のところです。

資格の「取りやすさ」と「社会的評価」というのは、基本的にトレードオフ・反比例の関係にあります。
簡単に取れる資格は「希少性がない」分、世間からの評価は低めになりがちです。そして逆に、評価される資格というのはやはり「そう簡単には取れないもの」だからこそ高い評価を受けるわけです。

とはいえ、雑誌の資格特集ではそんな身も蓋もないことを言っても仕方がありませんので(笑)、「比較的取得が容易で、かつ、そこそこ高い評価を受ける資格」を、あくまで一応ということでいくつか挙げるようにはしています。
具体的には「簿記検定2級」「宅地建物取引士(宅建)」「FP技能検定2級」あたりを挙げることが多いです。
いずれも対策をうまくすれば3ヶ月程度の準備期間で合格が可能で、かつ世間一般的に比較的高評価を受けやすい資格だといえます。

これらの資格に共通するのは、
①受験要件が特に制限されていない、もしくは容易に満たすことができる
②会計や法律といった汎用的なビジネススキルに直結する内容である
③資格自体に一定以上の知名度がある
④適切な学習用教材や参考書の入手が容易(市販の教材が充実)
という点です。②はすなわち幅広い業界で評価されやすいということですし、③は「苦労して取った資格なのに周りの人にその価値を理解してもらえない」となってしまうおそれが少ないということです。
裏を返すとどうしても「ベタ」な感じにはなってしまいますが、「簡単に取れて高く評価される資格がほしい」のであれば、基本的には上記の観点から、どの資格を狙っていくのかを考えるのが良いと思います。

また、ある程度短期的なスパンで見ると、「取りやすくて評価される資格」といえるものは一応存在します。
それは、「時流に乗った今ホットな分野の新しい資格」です。たとえば、少し前にトレンドになった「ホットな分野」の例としては、マイナンバー、ドローン、3Dプリンター、暗号通貨、IoT、インバウンドといった領域が挙げられます。
こういった分野の新資格を周りに先駆けていち早く取ることです。ただしこれはあくまで「期間限定」です。
これに関連する話は過去記事『「新しくできた資格をとりあえず取ってみる」という戦略』『資格はできるだけ「早いうちにとる」べき4つの理由』でも書いていますので読んでみていただければと思いますが、要は「これから伸びそうな領域」のパイオニア(先駆者)の立ち位置をいち早く確保することができれば価値になるということです。
できたばかりの新しい資格試験というのは実は合格しやすいので、先見力と情報収集力さえあれば、資格取得自体は比較的容易です。かつ、取得者数がまだ少ない段階なので希少価値もあります。
ブームから時が経ち、その分野に詳しい人がある程度増えてくると、先駆者としての価値は相対的にだんだん落ちてきてしまいますが、少なくとも短期的に見る限りでは「簡単に取れて高く評価される資格」だといえるのは間違いないです。
また、「周りに先駆けて新しい分野の知識やトレンドを積極的に吸収しようとする姿勢」そのものが周囲から評価され、好感を持たれることにもつながることでしょう。

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