2023.10.24

「新しく国家資格化される・された資格をとりあえず取ってみる」という戦略

「何の資格を取るべきか?」を考える際、基本的には「今後自分がどういう人生を送りたいか、どんな働き方をしたいか」から逆算して、「そのために業務上必要な資格や、持っていれば活用できそうな資格」を取る、というのがベストです。
しかし「何かやりたいことが特にあるわけではない」「将来のビジョンがまだ明確に定まっていない」という方もいらっしゃるでしょう。
「ジャンルは問わないから何か狙い目の資格、将来有望そうな資格を取りたい」という方にアドバイスするとしたら、「最近できた国家資格や、最近国家資格化された資格をとりあえず取ってみる」というのはひとつの選択肢としてアリだと考えます。

資格の世界では「もともと民間資格として運用されていたものが、ある年から国家資格化される」とか「ある業界・分野において新しく国家資格制度が立ち上げられる」ということがしばしばあります。
ここ数年の例を挙げると「賃貸不動産経営管理士」「愛玩動物看護師」「キャリアコンサルタント」などは、もともと民間資格として運営されていたものが国家資格として再構築された例です。
また、ドローンの国家資格「無人航空機操縦士」や「眼鏡作製技能士」など、新しい国家試験として立ち上げられた資格制度もいくつかあります。

国家資格化された資格が有望・狙い目である理由は、「国家資格化される」ということはすなわち、その業界・分野の市場や人材育成を国が強化したいと考えているということだからです。これはつまり、その分野の仕事や人材に対するニーズが今後高まっていく可能性が高い、有望な業界だということです。
具体的に前述の各資格に絡めていえば、今後さらに拡大していくであろうペット市場、ドローン業界や、慢性的に社会問題となっている雇用労働分野に関わる人材育成を推進したいというねらいが日本政府にあるのだろう、と読み取れるわけです。

ただ、国家資格化されると当然人気が出るので競争が激しくなり、取得の難易度がどんどん上がっていく傾向があります。
実際に前述の賃貸不動産経営管理士は、「何年後かに国家資格になるらしい」という情報が出始めてからは一気に受験者数が数倍に増え、人気資格となりました。しかし逆に合格率の数値は以前よりかなり低くなっており(約5割→約3割に)、国家資格化に伴って取得が難しくなったといえます。
新しく国家資格化された資格は、合格率が「低値安定」になってしまう前に、できるだけ早いうちに取ってしまうのが得策だといえるでしょう。

今後国家資格化が検討されているジャンルとしては「日本語教師」があり、新たな国家資格制度の創設に向けて政府が協議や準備を進めているようです。
実際にその資格を取得するところまでいくかどうかは人によりけりだとしても、「新しい国家資格」の動向は「将来有望な業界」を見極めるヒントにもなるのでぜひ注目したいところです。

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