2020.07.21

CBT界に革命を起こす!?イー・コミュニケーションズの「リモートテスティング」がすごい

コロナ禍を受けてCBT(Computer Based Testing)試験が注目されているなか、(株)イー・コミュニケーションズより、CBT界に革命を起こすかもしれない新サービスがリリースされましたので、今回はそちらをご紹介したいと思います。

今回発表されたのは『リモートテスティング』というサービス。内容を簡単にまとめると、「自宅受験型」のCBT試験でも本人確認や不正防止措置を適切に行い、厳正なオンライン試験の実施が可能になるというものです。
受験者側では、カメラが付属したパソコン端末さえあれば、何ら特別な設定や機器を必要とすることなく利用が可能です。
詳細はプレスリリース新サービス発表会開催レポートをご覧ください。
TBSテレビ『Nスタ』のニュースでも取り上げられています。

従来、CBT試験というと、会場型試験以上に厳格に本人確認や試験中の監視が行われる「テストセンター型」試験であればまだしも、「自宅受験型」の試験では「事実上、カンニングしようと思えばいくらでもできてしまう」という問題点がありました。

そのため、自宅受験型CBT試験として実施される資格・検定試験は基本的に、
・知識啓発やエンタメを目的とした、厳格性を求めない試験(クイズコンテンツ的なもの)
・本やインターネットですぐに調べられるような情報だけでは解けない試験(応用力や思考力を問う内容)
・試験時間がきわめて短く設定されており、カンニングしながら解くことが時間的に事実上不可能な試験
・そもそも本やインターネットで情報を収集・検索しながら解くことが前提とされている試験(情報収集力や課題遂行力を問う内容)
といったタイプの試験でのみ採用されており、高い厳格性が求められる国家試験などでは採用されにくいという実態がありました。
そもそも、自宅受験では身分証明書などでの本人確認が一切行われないため、「なりすまし」も簡単にできてしまうという問題点もあります。

しかしこのリモートテスティングの仕組みを使うと、PC内蔵カメラを通じた本人確認はもちろんのこと、AIによる顔分析や不審な挙動の検知などの不正発見機能によって、遠隔試験でも厳格な不正防止措置をとることが可能になります。
また、企業内でのeラーニングや昇進試験などでも活用できそうです。受験者のモニタリングによって「eラーニング講座をちゃんと本人が受講しているかどうかの確認ができる」という利点がありますし、大勢の社員を一堂に集めなくても試験が実施でき、試験監督の人員も削減できます。

コロナ禍によって、司法試験・司法書士・弁理士といった国家試験を含めて数多くの会場型資格試験が実際に中止・延期に追い込まれています。
この状況がいつ収束するかの見通しもまだまだ立たないなか、従来型のペーパー試験はこれを機にどんどんCBTに移行していく可能性がありますが、このたびの『リモートテスティング』の登場は、その動きをさらに加速させるきっかけとなりそうです。
そもそも欧米では、医師国家試験や運転免許試験など厳格性が求められる試験でもCBTがすでに一般化しているという事実があります。こういった点で日本は実はかなり「時代遅れ」だといえるので、これを機にもっと変化・進化してくれることを期待したいものです。

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