2022.06.14

CBTは、公式問題集とは傾向が違う問題が出る

コロナ禍以降急速に増えてきた、テストセンターで受験するタイプのCBT試験。私自身もここ数年でいくつものCBT試験を受けてきて、気付いたことがあります。
それは、いわゆる「公式問題集」的な参考書が出ている資格・検定の場合でも、本試験ではそれに載っている問題と同じ問題はほぼ出ない(公式問題集の問題とは傾向が異なる問題が多く出題される)ケースが多いということです。

一般的な資格・検定試験(ペーパー試験)では、公式問題集や過去問をしっかり勉強しておけば、本試験でもほぼ同じ傾向・難易度の問題が出ます。
本試験の問題の何割かは、過去問と同じ問題がそのまま出題されることもよくあるので、一般的には「過去問をやる」ことが最も効率的な勉強法だといえます。
しかしCBT試験ではその法則はあまりあてはまらないようで、むしろ「公式問題集の出題傾向から意図的に変えてくる」きらいがあるように思います。公式問題集と同じ問題は1問も出ない試験も少なくありません。
なので、「試験では公式問題集とは全然違う問題が出て、思ったより点が取れなかった」「公式問題集の問題より難しかった」といった受験者の感想をSNS等で目にすることもしばしばです。

CBTはペーパー試験と違って試験日が固定されておらず、「年間通して随時受験可能」や「特定の試験期間内なら好きな日程を選択して受験できる」というタイプのものが多いです。
そうすると当然、受験者によって試験日がバラバラになるので、「先に受験した人から試験問題の情報が漏れる」ことを防ぐことが必要となりますが、そのための対応として前述のような出題傾向としている、ということなのかもしれません。
公式問題集の中から素直に出題するのだと、「問題集の第○問と第△問は本試験でも出たよ」という形で出題内容の情報が流出しやすいと考えられますが、問題集とはまったく異なる問題であれば、受験者が正確に問題や選択肢の内容を覚えないと外部に情報を持ち出せませんので、情報流出のリスクは低くなるからです。
CBTの試験問題は基本的に、多数の問題ストックの中から受験者ごとにランダムに出題されますし、受験者は「問題の内容を他人に漏らさないこと」を誓約させられますが、それだけで情報流出を完全に防げるわけではないので、このような対策がとられているのではないでしょうか。

「公式問題集の問題から出ないなら、問題集で勉強する意味はないのでは?」とも思えてしまうかもしれませんが、まったく同じ形では出題されないにしても、「選択肢を少しアレンジして出題」「問題集の解説部分の内容から出題」されることは普通によくあります。
CBT試験の対策では、「問題集に出てくる問題と答えだけ覚える」というやり方は通用しないと考えておいたほうがよいですが、「解説も読み込む」「自分なりに問題をアレンジして、出そうな問題を自分で考えてみる」といったやり方は有効ですので、そのような方向性で勉強を進めていくとよいでしょう。

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