2024.07.09

「直近で法改正があった」箇所は資格試験で出題されやすい?

資格試験の勉強をする際にぜひとも重点的に取り組みたいポイントのひとつが「ここ最近で法改正や制度改正があったところ」です。
その理由は「次の試験で出題される可能性が高い」からですが、なぜ出題されやすいのか?については作問者の立場になって考えてみるとわかりやすいと思います。以下で詳しく述べます。

【1】法改正される箇所は本質的に重要なポイントだから
言ってみれば当然の話ではありますが、法改正とはそもそも、既存のルールや枠組みを時勢に応じて修正すべきという何らかの社会的ニーズがあるからこそ行われるものです。
法改正の背景には何らかの重要な動き(社会的・経済的・政治的な)が必ずあるはずであり、その点について受験者にはしっかり勉強・理解しておいてほしいということで出題されるのです。

【2】過去問と重複しない問題をつくりやすいから
何十年もの歴史があるような資格試験となると、毎年過去問が蓄積されていきますが、どこかのタイミングで試験範囲が大きく変わったりでもしない限り、「過去に出題されていないところ」から新規の問題を生み出すのがどんどん難しくなっていきます。
作問者の心理としては「過去問とできるだけかぶらない内容で新しい問題を一定数用意したい」というのがありますが、そのためには直近で法改正があったところから問題をつくるのが手っ取り早いというわけです。

【3】ひっかけ問題をつくりやすいから
たとえば文章の正誤を判定する問題について、「法改正前の規定によれば正しいが、法改正後の規定に基づくと誤り」という問題や選択肢をつくることができます。
これは古い知識の更新ができていない受験者に対するひっかけ問題をつくることができるということなので、作問者からすると「受験者を適切にふるいにかけることができる問題」がつくれるということになります。

ということで、法改正が頻繁に行われるようなジャンルの資格試験(社労士など)では参考書は最新の年の版を使うべきですし、直近で大規模な法改正があったジャンルの資格試験では「法改正に対応」と明記された参考書を選ぶようにすべきでしょう。
また各出版社や資格スクールが最新の法改正情報をまとめた情報をサイト上に公開していることもあるので、そちらもできる限りチェックしておくとよいでしょう。

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