2019.02.12

問題集の選び方のコツ

宅建士、行政書士、簿記検定など、受験者数の多い人気の資格試験では、数多くの出版社からさまざまな参考書や問題集が発刊されています。あまりに種類が多すぎて、教材選びにまず苦労したという経験をしたことがあるという方も少なくないのではないでしょうか。
ということで今回は、私が考える「問題集・過去問集の選び方のコツ」について3点挙げてみたいと思います。

 

【1】一問一答形式になっているものを選ぶ

まずそもそも「一問一答形式」とは?からご説明しますが、いわゆる「択一式」の試験では、次のような形式の問題が出題されますよね。

問:以下の文のうち、正しいものをひとつ選べ。
ア ○○○○○
イ ○○○○○
ウ ○○○○○
エ ○○○○○

普通の過去問集では、この問題がそのままひとカタマリで(問題文や選択肢がそのまま丸ごと)掲載されます。
一方、一問一答形式の過去問集では、ア~エの各選択肢がバラバラにされ、ジャンルごとや対応する法律条文ごとに並べ替えられるなどの再編成がなされたうえで、選択肢単位で問題が掲載されています。
たとえば、四択問題50問からなる試験の過去問を5年分掲載した過去問集の場合、「4×50×5=1000個」の選択肢が、分野別に並べ替えられたり、出題頻度等を考慮して取捨選択されたりと、体系的に整理した形でまとめられています。
このような一問一答式の過去問集には、次のようなメリットがあります。
・選択肢単位に分解されているため、見るべきポイントがすっきりする。
・選択肢をひとつひとつ各個撃破していく形になるので挑戦しやすい。
・「この選択肢は毎年のように出てくるな」というような出題傾向がつかみやすい。
・ジャンルごとに再編成・整理されているので勉強しやすい。※問題単位(選択肢4~5個)でひとカタマリだと、選択肢ごとに全くバラバラのジャンルから出題されている場合に勉強しにくい。
ただし、選択肢単位にバラバラにされていると、元の択一式問題とはまったく違った形で掲載されてしまっていることもあります。一度は生の(選択肢単位に分解されていない)過去問にも目を通しておくことが望ましいですが、勉強の効率面からいうと、間違いなく一問一答形式のほうが有利だといえるでしょう。

 

【2】見開き完結型のレイアウトになっているものを選ぶ

問題集のコンテンツは基本的に「問題」と「解答・解説」から構成されますが、これらのパートの配置の仕方は問題集によっていくつかのバリエーションがあります。主なものとしては以下のようなタイプが挙げられます。

[見開き型]ページ見開きの左側ページに問題が、右側ページに解答解説が掲載されているタイプ。(左開きの本の場合)
[表裏型]問題ページをめくるとその裏側のページに解答解説が掲載されているタイプ。
[巻末型]本の前半は問題だけがひたすら並んでおり、後半に全問題の解答解説だけがひたすら並んでいるタイプ。

問題集を使った勉強では、問題を解くこと自体よりもむしろ、問題と解説文を読み込んで理解を深めていくことが重要ですので、この中では「見開き型」がベストです。このレイアウトなら問題と解答解説が一覧できるので、問題と解説文を照らし合わせて読む際にページを行ったり来たりする面倒がないためです。こういった「面倒のなさ」は、勉強の効率やモチベーションにも大きく影響してくるので、意外とあなどれません。

 

【3】問題ごとに重要度マークや頻出度マークがついているものを選ぶ

過去問集や問題集には、問題ごとに「重要度:★★☆」「難易度:A」のようなマークや、受験者の正答率データが併記されているものがあります。このような情報やデータは大いに参考にすべきです。
問題集に掲載されている問題は、できればすべて完璧におさえておくことが理想ですが、そんなレベルまで到達することは試験対策にかけられるエネルギーや時間の面からいってもあまり現実的ではありません。そこで、力を入れるべきところとそうでないところの取捨選択を適切に行わなければなりません。
そのために、問題集に載っている「重要度」「頻出度」などのデータをうまく活用して、どこに力を入れるべきかの判断に活かすというわけです。

 

勉強法の本には、問題集の選び方について「解説がしっかりしたものを選ぼう」と書かれているのをよく見ます。内容の質ももちろん大事ですが、「勉強の進めやすさ」もまた非常に重要です。

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