2020.08.04

ペーパー試験とはまた違う、CBTならではの試験テクニック

CBT(Computer Based Testing)試験では、従来型のペーパー試験とはまた少し違った試験テクニックがあります。今回はそれについて書いてみたいと思います。

【1】解答1周目を「問題レビュー」を兼ねて行う
ペーパー試験では、試験開始直後の1~2分でまず試験問題のレビュー作業を行うのが定石です。問題用紙をパラパラめくって問題の分量や傾向をざっと把握し、時間配分の指針を立てるのに役立てます。
しかしCBTでは基本的に問題を1画面に1問ずつしか表示できず、すべての問題を閲覧するためには何十回とクリック作業を繰り返すことになり、紙の場合と比べてこのレビュー作業に手間と時間がかかります。
そこで、CBTの解答にあたっては、まず解答作業の「1周目」を「即答+レビュー」を行うフェーズとして行うことをおすすめします。具体的には「1問10秒以内で解ける問題があればそれだけ解いて、10秒以上かかりそうな問題はざっと読んでいったん飛ばす」という形で進めます。そして2周目以降で残った問題をじっくり解きます。
CBTの解答中は「この解答ペースで全問解き切れるかな?」「後半で難問がたくさん出てきたら危ないかも」ということが不安になりがちです。そこで、「まずは解ける問題をパパッと解いてしまう」ことと「問題を一通りざっとレビューしておく」ことをあわせて行うことで、ペース配分の目安が見えてくるため精神的にかなり楽になるというメリットがあります。

【2】後で特に見直したい問題番号をメモしておく
テストセンター型CBTでは計算・メモ用の用紙もしくは小型ホワイトボードが貸与されるのですが、これを計算や情報整理のためだけではなく、「気になった問題番号のメモ」にも活用するとよいでしょう。
CBTのシステムには問題ごとに「チェックマークをつける」機能があり、メニュー画面からチェック状況を確認したり、チェックをつけた問題に直接飛んだりすることができます。
しかし、紙の問題用紙であれば「後でじっくり考えたい問題は☆マーク」「時間が余ったら再検討したい問題は△マーク」のように属性別にメモを書き分けることも可能ですが、CBTではただチェックマークをつけるだけなので、「どういう意図でチェックを入れたのか」の情報が残せません。やみくもに「気になった問題にはとりあえずチェックを入れておく」だけでは、「たくさんチェックをつけすぎて何が何だかわからなくなってしまう」ことになりがちです。
そこで、チェックの中でもさらに優先順位付けやケース分けをしたい場合には、ただチェックマークをつけるだけではなく、用紙・ホワイトボードに問題番号をメモしておきましょう。1問ずつクリックしていかないと問題文を確認できない仕様のCBTでは、目当ての問題に辿り着くのに多大な時間を要してしまうことがありますが、そんな無駄を防ぐことができます。
「この問題のヒントになるような記述が別の問題の問題文に出てきてたような…」ということで複数の問題を行ったり来たりしながら解きたいというケースもありますが、そんなときも問題番号をメモしておけば効率的に行き来できます。

【3】自分が最も力を発揮できるタイミングで試験日時を設定する
CBTは従来型ペーパー試験と違い、受験する日時を自由に設定できますので、これをうまく利用しない手はありません。自身のバイオリズムや繁忙期・閑散期を鑑みて、よりベターなタイミングで試験日程を選択するとよいでしょう。
出願の手続きについても、受験希望日の1~3日前といったギリギリのタイミングまで申込可能なケースがほとんどですので、勉強の進捗や状況にあわせて「いま受ければいけそうだ!」というタイミングを見計らって受験することが可能です。
一般的なペーパー試験では、出願日から試験日まで数ヶ月ほど期間があきますので、「試験日までまだ○ヶ月あるから大丈夫だろうと思って申し込んだが、勉強が計画通りにいかなくてダメだった」ということが起こりがちですが、CBTではそんなリスクを大きく低減できるわけです。
また、試験の時刻も自由に選べますので、たとえば「朝のほうが頭がよく働くタイプ」という人は朝に、「夜のほうが落ち着いて受験できそう」という人は夜に試験予定を入れてみるなど、自分が最も高いパフォーマンスを出せそうな時間帯に設定してみるのもよいでしょう。

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