2019.10.23

「読書の秋」を楽しむ資格

芸術の秋」「スポーツの秋」に続いて、今回は「読書の秋」にまつわる内容です。読書や文学に関するテーマの資格・検定をご紹介したいと思います。
これまでの「○○の秋」の記事と同様、ご紹介するのはあくまで「読書・文学分野の資格・検定」であって、必ずしも「秋に受験できる」とは限らないものも含まれていますので、あしからずご了承ください。(でも、検定公式テキストを眺めてみるだけでも面白いですよ!)

日本文学検定
日本文学全般をテーマとした検定で、試験区分は「3級(古典)」「3級(近現代)」「2級(古典)」「2級(近現代)」の4つがあります。「古典」では上代から近世まで、「近現代」では明治以降の日本文学が試験範囲となっています。さまざまな文学作品のストーリーや登場人物について問われるのはもちろんのこと、作品の背景や作者のエピソードといった、一歩進んだ周辺知識がないと解けない雑学的な問題も出題される面白い試験です。
開催が不定期(2018年度は開催なしなど)なのがちょっと気になる点ですが、公式問題集などの教材を読むだけでも、さまざまな文学トリビアを知ることができて面白いですよ。「文学通」を名乗るならぜひ挑戦してみたい試験です。

太宰治検定
「文豪」と呼ばれる作家は数多くいますが、文豪個人が検定にまでなってしまっているのは太宰治くらいではないでしょうか。ちょうどこの秋、映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』が公開されており、まさに時代を超えてリスペクトされ続けている文豪、太宰治をテーマとした検定です。
太宰治検定は2017年まで青森・東京での会場試験(ペーパーテスト)として実施されていましたが、2018年から大幅リニューアルされており、コンビニのプリントサービスを経由して受験するという一風変わった形式で行われています。コンビニプリントした問題に解答し、答案を事務局に郵送するという形式で、日本全国から手軽に受験できるようになりました。高校生から80代まで幅広い年代の太宰治ファンが検定を楽しんでいます。

漢文検定
日本文学の根幹・原点といえる「漢文」にあらためてふれることができる検定です。論語や漢詩の現代語訳・内容理解などについての問題が出題されます。
試験会場はなんとあの湯島聖堂(東京都文京区)。「昌平坂学問所」として歴史の教科書にも出てくる、日本の学校教育発祥の地です。私も過去に漢文検定を湯島聖堂で受けたことがありますが、歴史を感じる建物の独特の雰囲気の中での受験で、とてもテンションが上がりました(笑)。
高校時代に勉強した漢文の古典について、教科書に出てくる有名なパートだけでなくもっと他の部分も読んでみたいなあ、と思わせてくれる検定です。

古文書解読検定
江戸時代以前の古文書に記載されたいわゆる「くずし字」を解読するという検定。「読書」とはちょっと違うかもしれませんが、頭をひねりながらくずし字をパズル的に解読していく作業は、他では味わえない独特の面白さがあります。古文書解読には、くずし字の形・筆記法を読み取るスキルだけではなく、今はほぼ使われていない古い言葉や、昔の文章の作法などの知識も必要になってきます。
3級・準2級・2級の試験は郵送形式。何百年も前の時代の公文書や書状などさまざまな形式の古文書を、くずし字辞典などを駆使して解読し、約1ヶ月の期間内に答案を郵送するという形で受験するので、自分のペースでじっくり取り組めます。古文書解読は全国のカルチャーセンターなどでも人気の高い講座ですが、解読スキルの腕試しとしてぜひ検定にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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