問題集は、一冊を完璧になるまで繰り返す?できる限り何冊も解く?
資格試験の過去問集や問題集は、「ひとつの教材を完璧になるまで繰り返す」のがいいのか?
それとも「できる限り多くの教材に手を広げてたくさん解く」のがいいのか?
勉強法や試験対策の本を読むと、前者を主張する著者もいれば、後者の考え方の著者もいて、本によって書いてあることが全然違います。
ではどちらが正しいのか?ということでいうと、私がこれまで多岐にわたる試験を受験してきた経験からすると、「試験のタイプや受験者の学習度合いによって変わる」という結論になります。
一般的な資格試験、というかそこまで難易度が高くない資格試験(目安とされる勉強期間が3~6ヶ月程度未満)であれば、基本的には「過去問だけ繰り返す」「ひとつの教材を完璧にすることを目指す」でじゅうぶんだといえます。
試験範囲がそこまで広くなく、出題傾向がある程度パターン化されており、全体の6~7割程度得点できれば受かる試験であれば、直近5~10年分程度の過去問の内容をしっかり理解できていれば、じゅうぶん合格点はとれます。
へたにいろんな教材に手を出そうとしてしまうと、勉強が逆に非効率になってしまうことがあるので、一冊をやり切ることに注力するほうが望ましいです。
しかし、ただそれだけではとてもじゃないけど通用しない試験があるのも事実。
たとえば公認会計士や不動産鑑定士といった難関国家資格や、民間の検定でも上位級になるときわめて細かい知識を問うてくるような試験などでは、過去問を5~10年分完璧に理解した程度では本試験で半分も解けないということがザラにあります。
こういうタイプの試験では、むしろできるだけ多くの教材に手を出して、とにかく問題を解く数をこなすことが有効なケースがあります。
たとえば、直近の年度版の過去問集だけでなく、もっと古い年度の過去問集も入手して過去問を何十年分も解いたり、「予想問題集」や「模擬試験」といった過去問以外の問題集教材に挑戦したりするなどです。
これにより、さらにさまざまなパターンや論点にふれることができ、対応可能な範囲のカバー率を広げることができます。
ということで冒頭の命題への回答は、試験のタイプを見極めて戦略的に対応すべき、ということになります。