試験勉強では「早期におさえるべきこと」「後回しにしたほうがよいこと」の見極めが重要
どんな分野の勉強でも、勉強する内容には「早い段階で確実におさえるべきこと」と「後回しにしても問題ないこと」があります。これを見極めて適切にタスク配分を行うことで、勉強の生産性は大きく高まります。
勉強は「何をやるか」自体も重要ですが、「何を『どのタイミングで』やるか」と時間軸を掛け合わせて考えることで、成果や効率が大きく変わってくるのです。
「早い段階でおさえるべきこと」とは、その分野の勉強におけるきわめて基本的なベースとなる知識や概念で、これがわかっていないと深い学習や応用がまったくできない内容のことです。
たとえば外国語の勉強では、文字のアルファベットを覚えるのはもちろんのこと、「文の中で主語・述語・目的語をどのように並べるか」「動詞は主語や時制によってどのように変化するか」といった基本的な文法ルールがわかっていないとまったく文章が読めないので、勉強の早期段階で確実に基本をおさえておく必要があります。
逆に「後回しにしても問題ないこと」とは、さほど重要でない細かい固有名詞・数値などの暗記や、勉強する内容の主軸・本流ではない些末な知識の習得などです。
たとえば日本史の勉強では、年号や歴史人物の名前などは勉強の初期段階ではざっくりと認識しておけばOKで、数字や漢字まで細かく正確に覚える作業は後回しにしても問題ありません。
特に「○○時代の文化(芸術や文学など)」のような単元は、覚えるべき人名や作品名が多いわりに、歴史の流れの本編とは直接関連しないため、むしろ積極的に後回しにすべきです。
細かい暗記項目は多少間違って覚えていたとしても勉強の大筋を狂わせるようなことにはなりませんが、基本的なベース知識や大まかな全体構造について誤った理解をしていると、勉強全体に大きな悪影響を及ぼします。
逆に早期に基本的な知識をしっかりモノにできていればいるほど、その後の勉強過程での知識の吸収がよりスムーズに進むことになります。
勉強の過程で「大量の暗記項目を正確に覚えるのが大変」と感じてしまうと、勉強へのモチベーションを下げてしまうことにもつながりがちです。
なかなか覚えられない暗記項目は、後回しにしても問題ない内容であれば試験直前期に集中して詰め込むこととし、勉強の早期段階では開き直ってあまり深入りしないこととするのも、ストレスなく勉強を継続するコツのひとつです。