2019.12.03

資格・検定は「新しいことを学ぶきっかけ」として最適

前回、私の新刊『小学生にもとれる!資格・検定カタログ』の話をしましたが、資格・検定は「新しいことを学ぶきっかけ」として最適のツールです。その理由について、今回もう少し掘り下げてご紹介していきたいと思います。

【1】問題を解くことでクイズ的に楽しく取り組める
テレビのクイズ番組で出題される問題を何気なく見ていて、その出題テーマに興味がわいてきて「もっとつっこんで勉強してみようかな」となることってありますよね。ただ教科書を読むのではなく「実際に問題にふれながら学ぶ」ことで、より知的好奇心やチャレンジ精神が刺激されて、新しいことの学びへの意欲がわいてきます。

【2】問題にふれることで「具体的にどんな内容・項目を勉強するのか」がわかる
これから新しく学ぼうとするテーマについて、それに関連する資格・検定試験の問題をまず実際に見てみることで、「具体的にどのような内容・項目を勉強することになるのか」「これをマスターするためにはどんなことがわかる・できるようにならないといけないか」がなんとなくわかります。
この時点では実際に問題を解ける必要はまったくなく、内容全体の概観ができれば十分です。学びの最初のフェーズでこれができているかいないかで、その後勉強を進めていくうえでの理解度や吸収度が大きく変わってきます。

【3】学ぶための書籍や情報が対策教材として充実している
検定や試験というものが存在しているからこそ、その対策のための教材を出版する出版社やスクールが存在し、質の高い教材や、より学びやすい教材が世に出されるということにつながっています。
たとえば「会計を学ぶ」際にも、いきなり会計学の専門書を読もうとするよりも、簿記検定の入門的な参考書を使ったほうがより学びやすいでしょう。教材そのものだけでなく、効果的に学ぶための勉強の仕方やコツなどの「情報」も、学びたいテーマの資格・検定試験が存在すればするほど充実していくことになります。

【4】入門的な級から少しずつレベルアップしていける
新しく学んでみたいテーマについていきなり全部のことを「広く深く」勉強しようとすると、結局できなくて挫折しがち。いきなり完璧を目指すのではなく、「ホップ→ステップ→ジャンプ」と段階的に到達を目指すような目標を立てていくのがいいのですが、その段階的目標を設定するにあたり手っ取り早いのが、資格・検定試験の「級」をそのまま利用させてもらうことです。
たとえば、まずは入門・初級レベルの到達点として○○検定の3級を目指し、それが達成できたら次の目標として中級者クラスの2級を目指すといったぐあいです。資格・検定試験の「級」をうまく活用することによって、学習のレベル設定や、目指すべきベンチマークの可視化に役立ちます。

【5】漠然とした勉強ではなく、明確な課題に挑むミッション・イベントとして取り組める
英語の勉強のモチベーションが続かない、何をどうしていけばいいのかわからないという人の原因の多くは、「何がどこまでできたら目標クリアとするのかの基準がはっきりしない」ことにあります。その点で、TOEICや英検は、スコアや級をひとつの定量的な目標や実績として数値化できるという点で意義があります。
達成すべき目標や到達すべきレベルが明確であり、かつ自分の現在位置がどのあたりなのかがはっきりしていると、今後の指針を立てやすくなり、挑戦する意欲もよりわいてきます。特に語学の勉強は目標がアバウトになりがち(「日常英会話ができるようになりたい」など)なので、自分の目的に合った資格・検定試験の合格をミッションとして明確化してやることによって、達成への意欲の醸成が図れるのです。
また、学びの過程を単なる「勉強」ではなく「試験をクリアするというミッション・イベント」としてとらえることによって、楽しみながら続けられることにもつながります。

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