2020.10.06

あえて暗記の正確さレベルを落とす、という暗記術

覚えるべき暗記事項がたくさんあって勉強が大変な資格・検定の試験対策においては、時には「あえて暗記の正確さレベルを落として適当に覚える」というのもひとつの手です。
試験では、出題される問題のタイプや難易度によって、正答するのに必要な「暗記の正確さレベル」が変わってきます。たとえば、記述式の問題では用語や数値を正しく(漢字・表記も含めて)書けるレベルで正確に覚える必要があります。一方、択一式の問題なら、いくつかある選択肢の中から正解を選べさえすればいいので、ある程度おぼろげな暗記レベルでも正解できてしまうことがあります。

すべての暗記事項を「完璧に書けるレベル」で正確に覚えるのは大変ですし、人間の脳のキャパシティ上、どうしても限界があります。
そこで、場合によってはあえて暗記の正確さレベルを落とし、暗記作業に必要以上に時間や労力をかけないようにすることが、結果的に勉強・暗記の効率を高めることにつながるのです。
100%の完璧さで30個の暗記事項を覚えるよりも、30%の適当さでよいので100個覚えるようにしたほうがよい、というケースも多々あるわけです。

ということで、暗記作業においては、「どの程度の正確さレベルでの暗記が必要なのか?」ということもしっかり意識しながら覚えるようにしましょう。
たとえば、「読めるけど書けない漢字」として有名なものに「薔薇(バラ)」がありますね。これを漢字で書かなければいけない試験であれば、正確に書けるように覚えないといけませんが、漢字の読みだけを問う試験であれば「薔薇」という漢字のなんとなくの特徴(字面を見たら「バラ」という読みが思い浮かぶ程度の)だけ認識しておけばよいわけです。

「いやしかし…そんな適当な暗記では、試験には受かっても実務では役立たないのでは」と思う人もいるかもしれません。しかし「試験」と「実務」は完全に別物ですので、はっきり分けて考えたほうがよいです。
試験に出ることすべてが実務においても有用な内容だというわけでもありません。「試験には出るけど実務ではほぼ使わない知識」というのは山ほどありますので、そういう箇所の勉強は深入りせず、試験は表面的な暗記で何とか乗り切ると開き直るのもひとつの考え方です。
そもそも、数値や用語などのきわめて細かい暗記事項は、もし実務でその知識が必要になったらその都度書籍やインターネットで調べればよい話です。なので、細かい暗記事項すべてを長期記憶として完璧に覚えておこうとする必要はないのです(そもそも無理です)。
試験対策の暗記では、これくらい開き直って取り組むくらいがちょうどよいでしょう。

関連記事