2019.04.02

「得点の勘どころ」は試験によってまったく違う

ある資格試験に高得点で合格できる人が、同じ分野の別の資格試験でも同じように高得点をとれるとは限りません。たとえ同じ分野の試験であっても、試験ごとに出題傾向に違いがあるからです。
たとえば、「ITパスポート試験」と「Microsoft Office Specialist(MOS)」は、どちらもIT分野の基本的なレベルの資格試験ですが、試験内容・出題傾向はそれぞれでまったく違います。
ITパスポート試験は、コンピュータの基本的な技術要素やITマネジメントに関する知識を問う試験なので、「実務的なパソコンスキルをある程度もっている」だけでは合格できません。実務とは直接関わらないようなIT知識もしっかりと身につけておく必要があります。
逆にMOSは、WordやExcelといったMicrosoft Officeソフトの実務的な利用スキルを問う試験なので、ITパスポート試験で勉強するような知識だけをもっていても得点に結びつきません。実際にWordやExcelを操作して適切なアウトプットを出せるスキルがないと合格できないのです。

対人関係では接する人のタイプごとに最適なコミュニケーション方法が変わってくるのと同様に、勉強も試験のタイプごとにやり方を変えていく必要があります。
試験の性質にあわせて、「作問者が求めるアウトプットを的確に返せる」ような準備をしっかりと整えておかないといけないのです。
逆に前述の例で「ITパスポート試験の試験対策として実務的なパソコンスキルを磨く」「MOSの試験対策としてネットワークやセキュリティなどのIT知識を身につける」といったことをやってしまうのは、残念ながら試験対策としてはほとんど意味がないことになります。

ただ漠然と暗記や読書に取り組むのではなく、その試験で得点するために必要になる知識やスキルをピンポイントで身につけるための勉強をしなければなりません。
その「必要になる知識やスキル」を見極めるために、過去問分析をします。最低でも直近5回分の過去問を入手し、「どんな出題傾向があるのか」「どんな形式の問題が出るのか」をまず実際に自分の目で見てみることが重要です。
そこから「得点力を高めるためにやるべきこと」が明確になり、逆に「試験対策としてやらなくてよさそうなこと」もわかってきます。
やることを絞らずただやみくもにやろうとするのでは、非効率なだけでなく勉強のモチベーションも続きません。やるべきことが絞られて明確になることで、勉強する意欲もわいてくるのです。

 

今回の記事は、鈴木所長の新刊『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』(ダイヤモンド社)の一部内容をアレンジしてお送りしました。
ぜひ本書もあわせて読んでみてくださいね!

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