コロナ禍に勉強したい経営支援・事業再生系資格

未曽有のコロナ禍で、業界を問わず苦境に陥る企業が増えています。この時代を生き残るために、ぜひ今こそ経営支援や事業再生に関する知識・ノウハウを、資格・検定を通じて学んでみてはいかがでしょうか。

中小企業診断士
経営コンサルタント分野で唯一の国家資格。事業再生に活用できる助成金の専門家として活躍する診断士もいます。
「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「経営法務」など幅広い領域の知識が必要とされる第1次試験と、企業診断や助言に必要な分析力・提言力が問われる第2次試験があり、難関資格として知られています。
多様なビジネスに活用できる各種知識・ノウハウが幅広く身に付き、業界を問わず評価の高い資格なので、取っておけば間違いなく役立つはず。2～3年かけてでも狙う価値はあるでしょう。

企業経営アドバイザー
一般社団法人 日本金融人材育成協会が主催する資格試験で、金融機関や経営者、士業など幅広い層を対象としています。経営改善や地域経済活性化のノウハウを総合的に高めることができる資格です。
財務・経営・法務などの知識を問う「知識科目」と、事業性評価のスキルを問う「実践科目」の2科目に合格し、「対話力向上講習」を受講することによって資格認定されます。
従来は会場型ペーパー試験として実施されていましたが、2021年10月からはCBT形式に移行され、全国のテストセンターで受験可能になります。（知識科目は随時受験可能、実践科目は一定の試験期間内のみ）

事業再生士補（ATP）
一般社団法人 日本ターンアラウンド・マネジメント協会が認定する資格で、広範囲かつ高度な専門知識が必要とされる事業再生の専門家育成を目的として実施されています。
資格取得までの流れとしては、まず認定教育機関での研修を受講したのち、「経営」「会計・財務」「法律」の3科目の試験に合格する必要がありますが、中小企業診断士や税理士などの有資格者には一部科目や研修が免除となる制度があります。
上位資格として認定事業再生士（CTP）があり、こちらは試験合格に加えて、事業再生に関する実務経験などの資格審査にパスする必要がありますが、国際的にも評価される資格です。

金融検定 事業再生アドバイザー（TAA）
金融検定は「資産査定2級」「融資審査2級」「財務分析3級」など金融機関の実務領域に関するさまざまな科目の試験がある検定ですが、その中に事業再生分野を取り扱う「事業再生アドバイザー（TAA）」という科目があります。
試験内容は事業再生の手法や法制、各種支援制度などで、金融機関として地域の中小企業の経営改善・事業再生を支援するスキルを高めることができます。特に受験制限はなく、金融機関の職員等でなくても誰でも受験できます。
なお、この試験に合格すると前述の事業再生士補（ATP）の受験に必要な研修が免除となります。