2024.04.18

鈴木所長の受験FILE【問題解決力検定 2級】

過去記事「鈴木所長の受験FILE【問題解決力検定 3級】」でもご紹介した「問題解決力検定」の、2級試験をこのたび受験してきました!
たいへん興味深い内容でしたし、この検定の2級の受験体験記的な情報はネット上にもあまりないように思いましたので、ここにまとめてみたいと思います。

どんな検定なのか?については前述の3級版過去記事をご覧いただければと思いますが、あらためてざっくりご説明すると「問題解決力」を客観的に判定するというもので、幅広い業種・業界を対象としています。
実際にコンサルティング会社の研修でも利用されているほか、一般企業でも企業研修の一環や管理職への昇格に際して活用されていたり、行政で働く職員の方の啓発など幅広い領域で使われているそうです。

以前受験した3級は「戦略プランナーレベル」で、出題されるのは選択問題のみということもあって、比較的挑戦しやすい内容でした(と言いつつ合格ラインギリギリでの合格でしたが)。
しかし今回の2級は「戦略コンサルタントレベル」で、出題形式は「記述式」とのこと。検定公式サイトでは2級の試験内容として以下の記述があります。

架空の企業ケースを用いて、記述式で本質的問題の発見を行っていただきます。試験内容は、架空の企業についての情報がPowerPointのスライド30枚程度で提供され、その資料の情報をもとに、企業の課題は何かをピラミッド構造で文章としてまとめていただきます。また、各スライドにメッセージを記載し、結論を支えるチャートとして構成していただきます。

つまり、記述式といっても「解答用紙に何百字・何千字もの文章を書く」というようなタイプではなく、「PCを操作して何らかのアウトプットを作成する」という形式のようなのですが…はたしてどんな問題が出るのか。
なかなかヘビーそうな内容なので若干の不安も抱きつつ、受験してまいりました。

3級・2級ともPCで受験する試験なのですが、3級が全国のテストセンターから自由に日時・会場を選んで受験するいわゆる「CBT(Computer Based Testing)形式」であるのに対し、2級はこの検定の主催団体である一般社団法人 問題解決力検定協会のオフィスが試験会場となります。
3級は選択問題なので一般的なCBTの試験システム上で運用可能なスタンダードな形式ですが、2級は試験問題や解答方法が少々複雑というか独特な形式であるため、CBTシステム上ではなく協会本部で専用のPC端末を操作する形で行うということのようです。

試験日程は受験申込時に個別に日程調整を行う流れとなります。オフィスのスケジュールにもよりますが、かなり柔軟に日程は調整してもらえるようです。
また、企業の団体受験などで大人数が受験するような場合は、外部会場を借りて大規模に行われることもあるそうです。

試験対策の教材としては、3級の参考書籍にもなっていた『はじめての問題解決力トレーニング』などの書籍のほか、eラーニング「問題解決力検定2級対策講座」があります。
先に言っちゃいますと、このeラーニング講座は2級試験を解く上での論理の組み立てのポイントや、どのようにチャートを作成するか・読み解くかなどについて2級対策上の大きなヒントになる内容なので、2級対策に万全を期したいという方はぜひ受講されてみるとよいでしょう。

 

そんなこんなで試験当日。
試験会場は前述のとおり問題解決力検定協会の東京オフィスで、港区東麻布に立地しています。
最寄り駅でいうと地下鉄日比谷線神谷町駅と大江戸線赤羽橋駅のちょうど中間あたりなのですが、ここ…なんと東京タワーの真ん前!すごい場所にオフィスがありますね。
2級受験される方はぜひ試験後に東京タワーにも記念に寄ってみてください(笑)

試験の担当の方から受験の流れや解答方法などについて丁寧な説明を受けたのち、試験開始。
120分間で記述式問題を解きます。

試験の大まかな枠組みとしては3級とほぼ同様で、「企業コンサルタントの立場から、企業や業界にまつわるさまざまなデータを読み解き、分析を行い、業績改善のための施策を提案する」というものです。
試験問題というか、分析の対象となる諸々のデータは、PowerPointファイル(その1)にまとめられており、それをもとに答案を作ります。
解答用紙はまた別のPowerPointファイル(その2)を編集して作成することとなるのですが、言うなれば「支援先クライアントに提案するプレゼン資料そのもの」を作る、という感じです。

実在の有名企業をモデルとした架空のコンサル案件が提示され、さまざま提供される業界データ・企業データ(業績推移やコスト構造など)から真にポイントとなる情報を見極めてデータ分析を行ったり、「お客様の声」「社員の声」などの定性情報から本質的な課題を抽出したりといった作業を行います。
「お客様の声」などはおそらく試験問題用に独自に作成された架空のもの?かと思われますが、いかにも実際にありそうなリアリティある内容。緻密に作りこまれた知的ゲームやパズルに挑戦しているような面白さもあり、挑戦しがいがあります。
専門知識を問うというよりは「限られた時間内で情報の整理や分析を行い、それをふまえて高品質なアウトプットを出す」ことが求められる試験だといえます。

記述式問題の解答として具体的にどんなアウトプットを作成するのか?については、公式サイトの2級の「試験内容」の説明文からだけではいまひとつイメージできない方もいるかもしれないので、簡単にお伝えすると、
「データをもとに企業の課題をピラミッド構造でまとめる」
「その根拠となる元データのPowerPointスライドを抽出して適切なコメントをつける」
「それらをふまえて今後の施策をまとめた提案の文面を作成する」
という感じです。

しかし120分は短い!!!
解答作業は自分ではけっこう急ぎ気味で進めたつもりでしたが、解答内容がなんとかまとまったのは制限時間ギリギリくらいのタイミングで、120分があっという間でしたね。お疲れ様でしたー。

 

試験後に担当の方と少し雑談をしていて、2級の合格率をざっくり教えてもらったのですが、私が想像していたよりもだいぶ低いらしいです。
もし試験前に聞いていたら「えっそんなに低いんですか!?」とテンパってちょっと冷静さを欠く状態で挑むことになっていたかもしれないですね。聞いたのが試験後でよかった…

ちなみにちょっとラッキーだったのは、今回の試験問題の題材になっていた企業というか業界が、私自身の職歴・キャリアにかなり親和性のある業界だったことです。
業界のビジネスモデルや市場構造に関してある程度は予備知識があったので、資料を比較的スムーズに読み解くことができた点で、他の受験者の方より多少は有利だったのではないかなと思います。
2級の合格ラインは「75%以上の評定」とのことですが、私にとっては運良く解きやすい内容の問題だったようですし、75%ならなんとかギリギリいけてるくらいじゃないかな…という感じの手応えではありました。

 

そして数日後。
早くも採点が終わり、結果がメールで送られてきました。

結果は…

100点満点中、得点65点!

ということで不合格!えええぇぇ~~~!?(泣)
せっかく運良く自分の得意領域から出題されたのにダメだったか~!残念!!!

受験結果レポートには採点者からのフィードバックコメントなども記載されるのですが、そのあたりの詳細も含めて「後編」でお伝えします。
まさかの2本立てです(笑)

関連する資格・検定

関連記事