2024.04.18

鈴木所長の受験FILE【問題解決力検定 2級】(後編)

問題解決力検定2級の受験体験記、後編です。

前編では、「2級試験を受けて、運良く自分の経験が活かせる領域から出題されたのでそれなりに自信がある出来だったものの、実際には合格ラインをけっこう下回って落ちてた(泣)」というところまで述べました。

結果通知のメールには、「スコアレポート」に加えて、「試験問題(抜粋)」と「自分の解答」がいずれもPDF形式で添付され送られてきます。

スコアレポートでは総得点と「分野別の得点率分布」グラフの記載があるほか、採点者からのフィードバックコメントが「総評」ならびに各設問単位で記載されています。

このコメントがたいへん丁寧かつ率直なご指摘という感じで書かれているのですが、以下にいくつか抜粋してみますと…

(企業の問題点をピラミッド構成でまとめる問1に関して)
「結論の箱は流れるように文章が構成されているにもかかわらず、その下の箱は、上の構成と全く異なる順序で情報が示されている点ももったいなかったですね。」
…与えられたデータから問題点を抽出したうえで、それらを要約して全体まとめの文章を作成するのですが、その論理構成が甘かったり、文章の流れがちぐはぐだったりするとのご指摘。あらためて自分の解答文を読んでみるとその通りでした。

(今後の施策の提案について述べる問2に関して)
「○○については問1の解答ではまったくふれられていないため、全体の流れからは唐突感がありました。」
…これも確かにそうで、問2は問1で分析した内容をふまえて論を展開すべきなのに、問1で特に述べていなかった内容を唐突に記述してしまっていました。

(今後の施策としての情報収集に関して)
「具体的にどのような情報が必要なのか、またそれをどのように集めるのか、情報源のイメージをもう少し緻密に記載してあるとさらに良いでしょう。」
…確かに私の解答内容だとだいぶざっくりしてますね。記述式問題における解答文を「どこまで具体的に書くべきか」については制限時間や解答欄スペースとの兼ね合いにもよりますが、この試験ではある程度具体的なところまで記述することが求められるのだなとわかりました。

こんな感じで、まぁ散々な言われよう…とまでは言いませんが、なるほどそりゃ合格ラインには達してませんよねと納得してしまう的確な指摘だなと思いました。

うーん残念というか悔しい。ちょっとこのままでは終われないですし、全体的な評価としては決して悪いわけではなかったので、コメントいただいた点を素直に改善して再挑戦すれば2~3回目くらいでは合格点いけるんじゃないか!?と考え、ちょっと期間をおいて再チャレンジを志すことにしました。

ちなみに分野別の得点率分布は以下のとおりでした。

ビジネスの基本 60%
問題解決の基本 87%
情報収集 60%
チャートの作成 67%
質問力 50%
論理的思考 65%
文章構成 55%
人の巻き込み 80%

「文章構成」「情報収集」「質問力」あたりが低いのはまさに前述のコメントで指摘されてるところで減点されたからなんでしょうね…

また、評価項目に「論理的思考」があることからもわかるとおり、この試験では「ロジカルシンキング」のスキルが非常に重要だという印象が強いです。
前編記事でご紹介した検定公式eラーニングの関連講座に「ロジカルシンキング講座」というのもあるので、「論理的思考」のスコアが低かった人はこちらも活用されてみると良いでしょう。

 

その後、ちょっと仕事や他の資格試験の予定で立て込んだこともあり、1回目の受験から3ヶ月ほど経ったタイミングで2回目を受験することになりました。

東京タワーが間近に見える問題解決力検定協会オフィスにて2度目の試験。
例によって120分間で記述式問題を解きます。

1回目と出題内容・問題形式はほぼ同じで、出題の題材となる企業は1回目とはまた別の業界の実在有名企業をモデルとしている、という感じの出題内容でした。
今回は自分が過去に仕事上で関わったことがある業界というわけではない企業が題材となっていたので、1回目のようなアドバンテージはなさそうでした。しかし試験全体の流れや設問構成についてはすでに一度経験しているため、「何をどうやってどんなアウトプットを作成するのか?」ということを問題文から理解する工程には時間をかけずに済みました。
また、1回目のスコアレポートによって自分の弱点というか、アウトプットをまとめる際に留意すべき点が明確化されていたので、その点に気を付けながら作業を進めることができたという実感もありました。
今回も時間的にはけっこうギリギリでしたが、まぁ何とかなってるのでは!?という感じの手応えで試験を終えました。お疲れ様でしたー。

 

そんなこんなで数日後、待望の結果通知メールが!
ドキドキしながら中を見てみると…

100点満点中、79点で合格でした!
いやーよかった。

最終的にちゃんと合格できた今となっては、「一度落ちてしまった」ことが結果的に、記事により深みを出すことにつながってむしろよかったんじゃないかなー、というポジティブな発想でとらえることができます(笑)
一発で普通に受かりましたーっていう展開だと面白くないですしね。

ちなみに2回目の分野別の得点率分布は以下のとおりでした。

ビジネスの基本 80%
問題解決の基本 87%
情報収集 80%
チャートの作成 73%
質問力 80%
論理的思考 70%
文章構成 85%
人の巻き込み 80%

「質問力」「文章構成」あたりのスコアが1回目から大きく向上しているのは、スコアレポートで指摘いただいた「残念だったポイント」を改善してより的確にアウトプットを作成できるようになった結果かなと思います。

 

2回目の試験後にも担当の方と少し雑談したりしてたのですが、前編の記事で書いたとおり、合格率はけっこう低めの試験なので、合格まで何回も受験される方も少なからずいらっしゃるそうです。

そして最後にちらっとお聞きしたのですが、2級よりさらに上の「1級」の構想もある程度具体化しているそう…(当記事執筆時点では2級が最上級)
2級の段階ですでにけっこう高度なことを求められる試験だと思うのですが、1級ではさらにハイレベルな戦略コンサルの実務力が問われる内容になるみたいです。
めちゃめちゃハードそうですが、とても興味深いですねー。

個人的には今回の2級受験を通して(というかスコアレポートでいろいろ指摘された点(特に1回目)を反省してみて)、「物事を論理的に考えるうえでの基本的なフレームワーク」をあらためて整理できたり、「情報を要約して本質をピンポイントで伝えるスキル」の重要性を痛感したりと、いろいろな学びがあったと感じます。
近年は大学生の就活でもコンサル業界の人気が高いと聞きますが、コンサル志望の学生はぜひ受けておくと良い検定だと思います。また社会人でも経営企画に携わる方や、事業や人材を管理する部長・課長クラスの方などにとって、ビジネス上の基盤となる各種スキルのブラッシュアップや、仕事への姿勢を変えることに大いにつながる内容だと感じました。

 

なにはともあれ、久々になかなか骨のある検定試験に合格できてよかったです!
ということで本日もお疲れ様でした。

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