2019.03.26

資格試験の実施時期・シーズンについて考える

資格・検定試験には、「多くの種類の試験が集中しているシーズン」と、「実施される試験がほとんど存在しないシーズン」が存在します。
結論からいうと、多くの試験が集中するシーズンは「夏~秋」で、ほとんど試験が行われないシーズンは「冬~春」です。
ではなぜこのような季節性があるのか?について、今回は語ってみたいと思います。

なぜ冬~春は資格試験の閑散期なのか?

まず、冬~春はなぜ資格試験の実施数が少ないのか?について考えてみたいと思いますが、これについては、日本の社会慣行の特徴から、ある程度明確な理由が考えられます。

①年末年始や年度の変わり目は避けられる
年末年始や年度の変わり目は、全国的に何かとドタバタします。受験者側からするとそんな時期に試験の予定なんて極力入れたくないとなるのは当然ですし、試験の主催者側からしてもそんな時期の実施はできるだけ避けたいとなるのは当前の話でしょう。

②冬は雪のシーズンなので各種トラブルが予想される
大雪の年にセンター試験当日の交通トラブルがニュースになることがしばしばあるように、冬期は雪の影響で試験実施にあたりさまざまなトラブルが発生します。北海道など豪雪地帯では春先までそのような状況が続くところもあるでしょう。

③大学入試シーズンなので大学を借りられない
資格試験の会場としてよく使われる施設・建物といえば大学です。しかし冬期はまさに大学入試のシーズン。学部学科の多い私立大学では長期間にわたって土日にも入試が行われることも多く、この時期は大学を試験会場として借りることがなかなか難しいのではと思われます。

これらの理由によって、冬から春先にかけては明らかに資格試験の実施には向かない季節だといえそうです。

夏~秋に試験が集中するのはなぜか?

さて逆に、資格試験の実施数が一年の中でも特に集中しているピーク時期が、6月頃(夏)と、10月~11月頃(秋)です。
なぜこの時期に試験が集中しているのかというと、「一年に2回試験が実施される資格」の多くが、年2回の試験日をこの時期にスケジューリングしているからです。たとえば、色彩検定の試験時期は「6月・11月」、国連英検は「5月・10月」です。
ちょっと考えてみると、この時期に試験が集中するのも納得です。というのも、年2回の試験日を、「ドタバタする年末年始や年度の変わり目」を避けて、さらに「この時期に試験の予定なんて入れたくないという人が多いと思われる大型連休やお盆」も避けて、かつ「だいたい半年おきになるように2回の試験日を配置する」となると、「6月頃」と「10~11月頃」にスケジューリングするしかないからです。
ちなみにですが、「一年に3回試験がある資格」(日商簿記検定・漢字検定・FP技能検定など)の場合は、前述の「6月頃」と「10月~11月頃」に加えて、第三の試験日が「1月~2月頃」に配置されることが多いです。年3回だとさすがに冬にも1回配置せざるをえないということでしょうね。

年に1~2回しか実施されない試験の受験予定を立てる際は注意!

このように、資格試験の実施時期にはある程度明確な季節性があります。複数の受けたい試験の日程が近接していて「さすがに同時期に両方受かるのは無理かも」となってしまうケースもあるかもしれません。
CBT形式の資格試験でもない限り、基本的に「自分に都合のよいタイミングで好きなときに受験できる」というものではないので、「この資格、少し興味あるかも」と思えるものに出会ったら、なにはなくともまず試験スケジュール(試験日・出願期間など)をすぐに調べることをオススメします。
今回ご紹介したような季節性についてあらかじめざっくりとでも認識していれば、仕事やプライベートのスケジュールとも照らし合わせて、年間の勉強計画の見通しを立てるのにも役立つはずです。

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