2024.03.12

資格をコスパで考えてはいけない

近年は何でも「コスパ・タイパ」が重視される風潮があり、私もよくビジネス誌からの取材などで「コスパの良い資格を教えてください」と聞かれることがあります。
しかし資格というのはコスパで考えてはいけない、というよりコスパで考えてもまったくうまくいかないものだと考えます。その理由は以下のとおりです。

まずコスパ(コストパフォーマンス・費用対効果)とは一般的に、得られる「効果・便益」とかかる「コスト」をそれぞれ数値化して、「効果」を「コスト」で割ることによって評価するものです。
しかし資格の場合、分子の「効果」も分母の「コスト」も、客観的に数値化することがきわめて難しいのです。

まず分母の「コスト」について。
資格を取るための受験料や、勉強にかかる教材費についていえば、そのコストを金銭価値で評価することは特に難しいことではないかもしれません。
しかし資格は家電や日用品を買うのとは違い、「お金さえ出せばすぐに確実に手に入る」というものではありません。試験勉強にかかる時間や労力というコストを考慮すると、非常に複雑な話になってきます。
勉強の労力のコストを仮に「時給×勉強時間」で計算するとしても、これは人それぞれで大きく異なる値となってくるはずで、とても一概にいくらと評価できるものではありません。

そして分子の「効果」の評価はもっと難しいかもしれません。
たとえば「この資格を取ったら年収が○円アップする」ということも容易に数値化・評価できるものではないでしょう。
そもそも「資格を取る効果」というのは単純に金銭面だけではなく、「資格勉強を通じて身についた知識」「資格をきっかけに生まれた人脈」「達成感や成功体験などのメンタル的な効果」といった無形的な効果・便益まで含めると、多岐にわたる「金銭価値に換算できないメリット」があるはずです。
資格のコスパを評価しようとすること自体がそもそもナンセンスなのです。

コスパで資格を選ぶより、「どういう人生を歩みたいのか」「どんな自分になりたいのか」を考え、そこから逆算して「自分が今取るべき資格」を考えてみていただければと思います。

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