2021.03.23

普通の会社“以外の法人”向けの会計系検定

会計分野の検定といえば、一般的な会社における商業簿記や工業簿記を扱う簿記検定が有名ですが、普通の会社の企業会計とは少し異なる、公益法人・NPO・社会福祉法人といったさまざまなタイプの法人・団体の会計実務力が身に付く検定も実は数多くあります。
会計分野の勉強にあたってはまずは簿記検定をベースとしておさえておくのが良いですが、公益法人やNPOにお勤めの方はぜひこのような検定もさらなる実務力アップに活用されてみてはいかがでしょうか。

公益法人会計検定
社団法人や財団法人における会計実務力の養成を目的として実施されている検定。全国公益法人協会の主催によるもので、約半世紀の歴史をもつ検定です。補助金や基金といった、普通の企業会計ではあまり出てこないような内容についても問われます。
当記事執筆時点では3級と2級の試験区分があり、3級は会計系の試験としては珍しいCBT形式(テストセンター型)にて実施されています。2級は会場型試験として実施されており、1級も2022年以降の開始を目途として準備中とのことです。

NPO法人会計検定
NPO法人(特定非営利活動法人)の会計・税務・運営などをテーマとした検定。そもそもNPOは普通の会社とはどのように違うのか?といった、NPOという組織形態そのものに関する知識も試験範囲となっています。
当記事執筆時点では「入門」「基本」の2種類の試験が実施されていますが、今後さらに上位区分として「実践」「専門」の試験区分も実施予定で、現在準備中となっています。

農業簿記検定
大原学園(資格の大原)の関連団体である一般財団法人日本ビジネス技能検定協会が主催する、農業・畜産業事業者の「農業簿記」をテーマとした検定。たとえば「牛を資産として減価償却する」など、農畜産業に特有の会計処理について学ぶことができます。
また、関連資格として農業経理士という称号認定制度が2020年に新設されています。「農業簿記検定1級合格」に加えて「経営管理」「税務」の試験に合格することによって認定される形となっています。

地方公会計検定
こちらも同じく日本ビジネス技能検定協会の主催による検定で、官公庁や公的機関などの「公会計」の会計処理や会計基準などを試験内容としています。
地方自治体の財政の健全化や透明化が重要視され、地方自治体も財務書類を適切に作成することが求められるようになってきた昨今、官公庁や公的機関の経営や財務に関わる方にはぜひ勉強してみてほしい検定です。

社会福祉会計簿記認定試験
社会福祉法人の会計処理をテーマとした検定。主催団体は一般財団法人総合福祉研究会と全国経理教育協会で、後者はいわゆる「全経簿記」の主催団体としても知られています。
出題の形式・傾向は全経の簿記能力検定や法人税法能力検定に近いかもしれません。初級・中級・上級の3区分があり、上級は「簿記会計」「財務管理」の2科目の試験に分かれています。

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