2020.07.28

問題集は「解説が詳しいものが良い」とも限らない!?

資格試験の対策のための問題集・過去問集を選ぶ際のポイントとして、「解説がしっかりしているものを選ぶ」のが定石です。
一般的な資格試験の勉強において最も効率的なやり方は、早い段階からどんどん過去問集にチャレンジし、試験に出る可能性が特に高そうなポイントの知識や出題傾向をおさえていくことです。
つまり、問題集・過去問集は「解く」というよりも「解説を読んで必要な知識を蓄える」という使い方をするものですから、解説文が詳しく丁寧に書かれているものが当然望ましいといえます。
解説がわかりにくいものやシンプルすぎるものでは、解説を読んでも「なぜこういう理屈になるのかわからない」となってしまい、初学者には不向きです。

しかし、ある程度勉強が進んできた「中・上級者」にとっては、逆に解説がシンプルな問題集のほうが使いやすい場合があります。
なぜかというと、勉強がある程度進んだ段階では、解説が詳しいことよりもむしろ「テンポよく数多くの問題をこなせるかどうか」のほうが重要になってくるからです。

みなさんも、問題集の解説ページを読んでいて、
「解説文を全文読んだけど、もうすでに十分理解できている内容だったから、特に新しく得られたことはなかった」
「解説ページに書いてある内容だからとりあえず一通り目を通したけど、ちょっと冗長だったので、全部は読まなくてもよかったかも」
「問題文の内容が解説文にもあらためて書かれているが、単なる繰り返しなら2回も同じ内容を書かなくていいのでは」
と感じた経験はないでしょうか?

誰しも本を読む際は、基本的に「書いてあることにはとりあえずすべて目を通す」と思います。しかし必要以上に説明が丁寧すぎる文章は、場合によっては「文章量が多いわりにはそこまで大したことを言っていない」となってしまい、ただ読むのに時間がかかるだけということにもなりがちです。
初学者レベルと中・上級者レベルとでは、適切な教材の内容や構成も大きく変わってくるということです。

とはいえ資格試験によっては教材の選択肢がそこまで多くなく、「もう中級者レベルといえる域には達せているが、初学者向けの(説明が詳しすぎる)問題集しか存在していないのでこれを使うしかない」というケースもあるでしょう。
そんな場合には、すでに十分理解できている内容については適宜意識的に「飛ばし読み」することを心がけて、必要以上に時間をかけないで読み進めることを志向してみましょう。勉強の「時間対効果」を高める大きなきっかけとなるはずです。

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