「よくわからないところ」にどう対応するか?
試験勉強の目的とは、「今の自分の実力」と「試験の合格ラインの水準」との間に存在するギャップ(足りないところ)を埋めていくことです。
そのために、「わからないところ・できていないところをどんどんつぶしていく」ことこそがすなわち、試験勉強の本質です。
しかし、「わからないところ」は、最終的に「わかる」までもっていくことが絶対的なミッションだというわけでは、実はありません。
試験で結果を出せる人(頭のいい人)は、よくわからないところを「確実にわかるようにする」ことが得意なわけでは必ずしもなく、「得点するという結果だけは最低限出せるようにうまく対応する」ことに長けています。
「わからないところ・できていないところ」は最終的に「できるようにする」のがもちろんベストではあるのですが、場合によっては「最低限の対応だけはできる状態にしておく」「いったん対応を保留する」ことが長期的・全体的にみると良い結果を生むことがあるのです。
たとえば、高校の数学で出てくる「解の公式」や「三角関数の公式」は、その意味や導出方法までしっかりとわかったうえで理解できれば、もちろんそれがベストです。
しかし完全な理解が難しいのであれば、公式をとりあえずそのまま暗記して、公式を当てはめるべき場面で実際に使うことさえできれば、「試験で得点する」という結果自体は普通に出せます。
自動車の運転は車のメカニズムを完璧に理解できていなくても操縦できるのと同じで、ツールとして使える状態にさえなっていれば、必ずしも仕組みを完全に理解できていなくてもいいのです。
そのため、勉強していてひっかかる箇所が、「そこを完璧にわかっていないとそこから先に進むことがまったくできない」という内容でもないのであれば、「わからない」状態のままいったんは深入りしないのもひとつの選択肢です。
いつまでもそこで立ち止まっているのではなく、他に進める道があるのであれば、いったんそちらに向かってみましょう。
そもそも、「よくわからないところ」が「試験ではまず出題されないところ」なのであれば、よくわからないままでも試験での得点にはまったく影響しません。
そこは放置してしまってもまったく問題ないポイントですので、もっと他のやるべきことをやりましょう。
頭のいい人は、そのあたりの割り切りがうまいのです。
どのように対処すべきかの「見切り」と、ためらいなく対応の仕方を決定できる「潔さ」がものを言います。
今回の記事は、鈴木所長の新刊『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』(ダイヤモンド社)の一部内容をアレンジしてお送りしました。
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