
LGBTやジェンダー理解に役立つ資格
米国のドナルド・トランプ氏が大統領に再就任し、トランスジェンダー選手の女子競技への参加を禁止する大統領令に署名するなど、LGBTやジェンダーに関わる政策見直しが賛否両論を巻き起こしています。トランプ大統領の姿勢に追随し、多様性推進に関する施策を縮小・撤回する米国企業も出てきています。
LGBT理解度やジェンダー平等などの国際ランキングが発表されるたびに、順位の低さが話題になる日本ですが、まずはこうした分野への理解を他の先進国並みに高めることがいま重要といえるのではないでしょうか。
ということで今回は、LGBTやジェンダー理解に役立つ資格をご紹介します。
LGBT基礎理解検定(LGBT検定)
LGBTをテーマとした日本初の検定。誕生した2017年当時は日本国内では「LGBT=センシティブ」というイメージが強かったことや、受験料が高額だったこともあってインターネット上で炎上気味に取り沙汰され、ある意味「世に出るのが早すぎた検定」といえそうな感じでしたが、現在は内容がリニューアルされ、受験料も低額になり受けやすくなっています。
オンライン講義(eラーニング)を受講しオンライン試験にパスすれば資格認定されるという流れとなっており、オンライン講義は知識ゼロからでもLGBTにまつわる基礎知識や近年の動向などをわかりやすく理解できる内容です。
統計データによると日本国内における性的マイノリティの割合は10%前後といわれています。LGBTについて理解することは、どんな組織・集団においても円満な人間関係のために必須といえそうです。
女性活躍検定
ビジネス系・IT系の各種資格試験を数多く実施している一般財団法人 全日本情報学習振興協会の主催により、この春第1回試験が実施される新資格。
試験内容としては、行政による男女共同参画・女性活躍推進の政策に関することや、ジェンダーフリー、ワークライフバランスの推進に関する事項、そして新五千円札の津田梅子をはじめとする「社会を変革してきた女性たち」の事績などからも出題される、たいへん興味深い内容となっています。
業界や規模にかかわらずさまざまな企業・組織において、女性の働きやすさや活躍ポテンシャルの向上のための施策を考えるうえで有益な知見が学べそうな検定です。
女子アスリートコンディショニングエキスパート検定
ジェンダー平等を掲げて開催されたパリ五輪や、トランスジェンダー選手の競技参加の是非などが近年話題になっている女子スポーツ界ですが、それに対応してか「女子アスリート」をテーマとした検定が2024年に誕生しています。
医学・運動生理学などのスポーツ科学に関する知識に加えて、月経やセクハラ・パワハラといった女子スポーツ界特有の課題・論点についても学ぶことができる内容となっていて、オンライン試験形式で実施されています。
女子アスリートのコーチや指導者、女子運動部の指導教員などを主な対象とした資格ですが、スポーツ業界に限らず幅広い業界で「女性がより活躍できる組織・チームづくり」のためのヒントが得られそうです。