2020.11.03

「ヤマかけ」はむしろ積極的にやろう

試験勉強において「ヤマかけ」、すなわち、出題されそうなところに見当をつけてそこだけに集中して取り組むということは、あくまで「最後の手段」的なやり方として、あまりポジティブな意味では語られない言葉です。
しかし私はむしろヤマかけは「ぜひ積極的に行っていくべきこと」であると考えます。

というのも、参考書を読み進めるにあたって「もし自分が出題者なら、こういう問題を出すなぁ」「ここはこういう形で出題されるのではないかな」といったことを考えながら読んでいくと、ただ漫然と読み進めていくよりもはるかに内容が頭に入ってくるようになるからです。
「どの部分から出題されるかな?」と考えながら読み進めていくことで、参考書の内容をただ鵜呑みにするのではなく、自分でも吟味しながら読むクセがつきますし、ゲーム感覚で勉強を進めていくこともできます。

また、いわゆる「ひっかけ問題」に使われそうな類似・関連キーワードに目をつけたり、重要そうなポイントを見極めたりする作業は、「試験攻略に対する嗅覚」を大いに鋭くしてくれます。
そして何より、ヤマかけがもしうまく的中して、実際の試験でも出題されるということになってくれれば、他の受験者に比べて大きなアドバンテージとなることは言うまでもありません。

私自身、過去にとある検定試験の試験委員として、実際に試験問題を作成するお仕事をしたことがあるのですが、「公式テキストのどの部分から出題しようかな」と考えながらテキストを隅から隅まで読んでいくということをしていると、受験者の立場として勉強するよりもはるかにテキストの内容が頭に入ってきて、自分でもびっくりした経験があります。

思うに、ただなんとなく試験勉強をしていると、「テキストに書いてあることを覚える」とか「出された問題に答える」ということを繰り返しているうちに、どうしても「受け身」的な心理状態に陥りがちで、モチベーションがいまひとつ上がらないこともしばしばあるものです。
そうではなく、積極的に「自分が出題者なら…」「このページからもし出題されるとしたら…」と能動的に考えるスタンスをとっていくほうが、確実に内容が頭に入ってきますし、しかも楽しく勉強できますよ。
ぜひあなたも積極的に「ヤマかけ」を!

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