2019.08.13

「エピソード体験」をひとつでも多く増やすことで記憶をより強固に

あなたは試験会場でこんな経験をしたことはないでしょうか。
合否を左右しうるきわめて重要な問題に直面し、選択肢をなんとか二つにまで絞れたものの、意を決して最終的に選んだほうは誤りで、それを間違えたせいで不合格。もし逆のほうを選んでいたらギリギリで受かっていたのに…という悲劇。
このような体験は、強烈な悔しい感情とともに記憶に深く刻み込まれます。
私自身も、長い資格人生で「あと1問合っていれば受かっていた」ということは何度も経験してきていますので、「あのときこれを知ってさえいれば…」という悔しい経験がきっかけで妙に記憶に残っている問題や暗記事項がいくつもあります。

暗記事項をただ淡々と覚えるのではなく、このような何らかの「エピソード体験」と結びつけることで、強く記憶に残すことが可能になります。
「あの模試で出た問題だ!」「あのとき出てきた単語だ!」というエピソード体験をとにかくひとつでも増やしましょう。そのためにも、問題は1問でも多く解くべきですし、模試は1回でも多く受けたほうがいいです。
試験本番で間違うのと違って、模試や問題集の勉強で間違えることは人生を左右する失敗にはなりませんので、むしろ、失敗できるうちにたくさん失敗しておいたほうがいいですね。

また、「違うルートから2回ふれた内容は、より記憶に残る」という効果もあります。
たとえば、「同じ問題集を繰り返して、2周目で同じ問題に再度ふれる」のと、「問題集Aで出た問題と似たような問題が、問題集Bにも出ていた」のとでは、感じ方が違います。後者のほうがより印象に残るはずです。
同じテレビCMを何度も繰り返し見るよりも、同じ広告をテレビ・雑誌・Web・街頭広告などいくつかの異なるメディアで目にするほうが印象に残るのと同じです。

私は日々さまざまな分野の資格・検定試験を受験していますが、一見接点がなさそうな検定の内容が意外なところでつながっていて、「あっ、あのときあの検定で勉強した内容がここでも出た!」となることがしばしばあります。
たとえば、「インテリアコーディネーター」の試験で茶室に関する問題が出て、まったくジャンルの異なる「茶道文化検定」で勉強した内容が意外なところで役に立ったことがあります。そしてこのような意外性のある体験は、より印象に残る形で記憶に刻まれます。

このような記憶に残る「エピソード体験」をひとつでも多く積み重ねるためにも、問題集は一冊に絞らずあえて複数の問題集に手を出してみることや、時には少し違う分野の資格・検定の勉強をしてみることを意識的にやってみるとよいでしょう。

今回の記事は、鈴木所長の新刊『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』(ダイヤモンド社)の一部内容をアレンジしてお送りしました。
ぜひ本書もあわせて読んでみてくださいね!

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