
取引先の業界のことを資格で学ぶと、交渉力や対応力が上がる
どんな業界でも、企業ごとに「入社したら取らされる資格」「取得が推奨される資格」「取得したら給料が上がる資格」というのが何かしら存在するものです。
資格・検定というのはそのテーマの業界知識や実務ノウハウを具体的・実践的に学ぶためのよい手段やきっかけとなるものです。自分が働いている業界の実務知識やノウハウを身につけられるのはもちろんですが、就活生の業界研究にも役立ちます。
一方で、自業界ではなく「ビジネスで取引のある相手方の業界」のことを、その業界の資格の勉強を通じて勉強しておくことも大いに有益です。
たとえば
・自社商品の販売先企業の業界のことを勉強しておく
・ITや貿易業務などを業者に外注している場合でも、その業界の知識をある程度は学んでおく
・金融機関との折衝のために金融業界の知識を学んでおく
といったことが挙げられます。
先方の担当者とやりとりをする際には、「相手の業界のことはすべて相手に任せる」のではなく、こちら側もある程度は相手側の業界知識に通じていることが望ましいです。
たとえば、外注業者からの見積や提案を評価する際には、ある程度の専門知識がないとその提案の妥当性の判断は難しいでしょうし、協議や折衝の際にはこちらも専門知識をもっておくほうが有利な状況で臨め、議論をよりスムーズに進めることができるでしょう。
こちら側もある程度知識をもっているとわかれば、相手側から高額の料金を吹っ掛けられたり、無理な交渉やいい加減な対応をされたりするリスクが減らせるはずです。つまり、「相手の土俵に立つ」ための知識を備えておくことに価値があるということです。
また、相手側業界の慣行や仕事の流れなどについての知識があると、「こちらからのデータ提供はこういう形になっているほうが、相手側も対応しやすいだろう」「この件についてはこちら側も事前に勉強しておくと、必要以上の打合せややりとりをしなくてもよくなるだろう」といった配慮を行えるようにもなります。
これによって取引先企業とのやりとりが円滑になったり、信頼関係が構築されたりすることにもつながります。
「自分がいま担当している仕事」の領域だけでなく、周辺領域や関連業界についての学びにもぜひ目を向けてみてください。