勉強計画を立ててもあまり意味がない理由
資格取得や昇進試験のための試験勉強にあたり、「勉強計画を立てても実際はその通りに全然進まない」ということはよくあるものです。
その大きな要因は、未知のことを勉強する際には「実際やってみないとわからない」ことが多分にあるからです。(考えてみれば当たり前のことではありますが)
勉強計画を立てる段階では当然、参考書にざっと目を通したり、合格者の勉強法を参考にするなどして、これから取り組むべき内容の全体像をある程度は把握したうえで計画を立てることと思います。
しかし、実際に勉強に入ってみると、「すんなり理解できると思っていた章で予想外に詰まってしまった」「想像していたより理解に時間がかかる内容だった」といった壁にぶつかることが多々あります。
勉強する内容が「どのくらい難しいか」「どのくらい時間がかかるか」といったことは、具体的な勉強段階に入ってみてはじめてわかるケースがほとんどです。これが原因で、計画と現実との間にギャップが生じてしまうのです。
登山に例えるとわかりやすいかもしれません。地図で見るとすんなり頂上まで行けそうに見える山道が、実際登ってみると高低差が激しい道だったり、地図に載っていない障害物があったり、実はけもの道同然の未整備な道だったりと、実際に現地に行ってみないとわからないことが多々あるものです。
勉強もこれと同じで、想定と実際との間には乖離があるのがむしろ普通です。
ですので、勉強計画は初期段階で詳細に立てすぎてもその通りに進む可能性は極めて低いため、「計画通りにはいかない」ことを最初から前提として考えるようにしたほうがよいですね。
まずは「取り組む科目・分野の順番」「使用する教材」「一日あたり勉強量の目安」といったざっくりした大枠を設定するにとどめ、細かい工程は実際の勉強と並行して適宜設定・アレンジするという形で進めていくのがよいでしょう。
つまり、一般にいうところの「PDCAサイクルを回し続ける」ということですが、実際に行動を起こしながら計画や工程を随時柔軟に修正していくということです。
最初から綿密な計画を立てることに時間をかけすぎるのは時間と労力の無駄ですし、計画通りにいかないことがストレスになって勉強が嫌になってしまうのでは本末転倒です。
勉強計画は「立ててもどうせ狂うものである」と最初から認識しておくくらいがちょうどよいでしょう。